海外旅行に行きたいわけ

平均よりは海外旅行や滞在の経験は少し多めだと思う。

というか、平均の海外経験は1週間以上の海外滞在経験なし、渡航歴のある国の数は3つ、ぐらいと予想している。

 

自分は海外に興味を持っている。理由はいくつかある。しっかりと把握したことはない。

 

逞しくなりたい。どんな状況でも、どんな環境でも、心を恐怖や寂しさ、漠然とした不安に乗っ取られないように。

平常心で、嬉しさと楽しみと好奇心をいかなる場所にも見つけられる、そんなファンタジーめいた人物にあこがれを持つ。そしてそんな想像上の人物にコンプレックスを抱く心情を人間らしいと思っている。

 

何もない、評判も立場もない0の状態から自分がどんな風に評価されるのかを確かめたい。現時点から自分の人生がスタートしたら、俺は「大丈夫」なのかが知りたい。

まあ、初対面の人にいきなり厳しく接する人の方がまれだから、旅先の人々との交流は好印象で終わることが多いだろうが。というか好印象を数分間保ったまま終えられるだろう。

 

年上の人や年下の人と仲良くできるのは当たり前である。年上は優しくしてくれるし、年下の人は気を使ってくれるからだ。一番シビアに評価を下すのは同年代の人々だ、というフレーズを見たことがあって、そうだなと思った。

もし日々の生活がなんとなく息苦しく、こんなはずじゃない何か予定とずれてるぞこれにはきっと環境や社会や何か対外からの理不尽な介入があるに違いないと感じる。しかしきっとそれは的がずれているだろう。今日の生活はそれに至るまでの最近の自分が行ってきた行動や思想の積もったものだ。どんな理屈をつけたのか知れないが、自分の選択によるものだ。分かれ道の旅に自分なりの理由で選択をし、たどり着いた地点に過ぎない。誰が良いと悪いと言ったわけでもない。悪いと思うのは隣人でも家族でもない。あなただ。他ならぬあなたが悪いと思っているのだ。感情は誰かの命令で思い通りになるものではない。繊細に機微に心配りしているときもあれば、鈍感に図太く他人を押しのけていることもあるだろう。

 

積み重ねてきた年数にかかわらず現在の生活に意図的に介入することは可能だ。自分の行動の90%が無意識によるものなら、10%の意識が罠を仕掛けておけばよい。無意識に感情はない。足元に紐を張っておけば転ぶだろうし、目につくところにコーヒーを置いておけば飲んでくれるだろう。あなたの望む理想とやらはそうやって手に入る。突如閃光の如くお告げが来るわけでも乱暴な王子様が出現するわけでもない。キャスティングはあなたなのだ。主人公だと語る割に行動は脇役級じゃないか。もちろんそれに気が付かなくてもいいけれど。愚痴を吐いて気をまぎわらせていくのも、よくあるタイプだ。

 

海外に限った話ではない。旅行に出ればあなたの評価は一度0に戻る。昨日大遅刻をやらかしたことも、1か月前の締切の仕事を後回しにしていることも、高校生の頃に周囲から大不評を買う失恋をしたことも、旅先の人は知らない。寂しささえ適当にあしらうすべを持っていれば、旅は便利なものだ。あくまで旅は旅。出先に過ぎない。帰ってくるホームが荒れていては、本末転倒というもの。

 

さて、今日は何が変えられるのか。