エロ、グロの使い方とは。

日本とアメリカ文化を比較すると、アメリカ文化の方がエロやグロの要素を作品に多く盛り込んでいる印象がある。

Maroon5のanimals。クラブミュージック。

刺激が強い事、成人向けにすることで「大人の魅力」がアピールできること、多くの人間に(特に活動的な人間に)理解されやすい要素である事。

弊害は。刺激が強いものが面白い、というのは味が濃いものが美味い、と言っているようなもので、乱暴に言うとひどく頭が悪い感じがする。迫力と派手さ「のみ」をアピールしているものは、知的さを感じさせないし、品も絶妙な加減やメリハリも感じさせない。同じように色気に欠けている。大人アピールをしようとしているのに色気に欠けるという矛盾。

しかし粗野さ、乱暴さ、論理や道理に無関係な暴力的な勢い。そういったものが強さの象徴となって人を魅了するのは理解できる。

 

男について、治安が良い国では草食系、優しい、コミュニケーション能力に長けた男がモテて、治安が悪い国ではゴリゴリマッチョ、ガタイが良い、引っ張っていってくれそうなパワフルでいかにも強そうな人がモテる傾向があるそうだ。治安が良い地域では腕力や物理的な強さは不必要で、平和なコミュニティの中で円滑に調和を取る能力が高く評価されるそうだ。納得は行く。

 

Maroon5のPayphoneのミュージックビデオ。カップルの男が暴力沙汰に巻き込まれて傷だらけの状態で女に電話をかける。なぜこんな状況になっているのかはよく分からない。映画のクライマックスみたいなシーン。アメリカっぽいなあ偏見かなあと思っていたが、非常によく似た構成をEXILEの二つの唇で見た。外国人カップルが倉庫に手足を縛られ捉えられていて、それをEXILEポリスが助けに来て銃撃戦が始まる。ストーリーは完全に謎。つかまってるのイケメン美女だしもう全然分からない。「大人っぽい」雰囲気設定は盛りだくさん。

アジアはやはり欧米を意識することは多いのだろう。特に韓国は強いのだろう。K-Popを聞くと、クラブミュージック調の曲の多さにJ-Popとの違いを感じる。化粧の様子や、女性は露出も多い。性的アピールとかフェロモンむんむん強調もすごい。アメリカの人気曲ランキングであるBillboardの上位50位を聞くと、ラップとかクラブミュージックとか重たい雰囲気の曲が非常に多くて驚く。「力」をアピールする感じだ。俺は強いんだぞ舐めんなよみたいな。国によってこうも違うものかと思う。イギリスのランキングはもう少し雰囲気が違った気がする。

 

追記:Maroon5のPayphoneのMV、しっかりストーリーは描かれていた。ボーカルのアダムは銀行員で、職場に銀行強盗が襲撃して、銃撃戦になるという話だ。知識を増やそうとすると先入観がその10倍ぐらい膨らむのがなんとも浅ましい。イチローがインタビューで「年を取ると身体に脂肪がつく。これはなんとなる。でも精神的にも脂肪がつく。これはとれない。なかなか落ちない。」と言っていたのを思い出す。実にその通りだと思う。だからこそ大人は精神的に安定しているのだろうが、つまるところセットなのだろう。安定と頑固。