夏目漱石の行人を読んでいる。

夏目漱石の行人を読んでいる。つまり読み終わってはいない。今中盤を超えたあたりだ。集中力がなくなったのか、今の心境にあまりマッチしないのか、とりあえずページをめくりながら読み進めている感じである。

 

学の高い長男、放蕩という程ではないが平凡な弟。長男には嫁がおり、長男は嫁からの愛情を確信できず、むしろ嫁は弟を好いているのではないかと思い、弟に嫁と2人きりで外出してその真偽を確かめて来いという。

 

知性というものにどのように上下を付けるのかは分からないが、例えばIQで知能の高い低いを測れるとして、IQが20違うと会話は基本的に成り立たないそうだ。語彙力や、論理展開のスピード、理解力に差があるために、話していてどんどんずれたりぎこちなくなってくるらしい。

他より秀でるという事は、優越するということで、それに伴う快感もあるのだろうが、孤独な心境や、感覚を共有出来ない寂しさも付きまとうものだと思う。センチメンタルな自己陶酔ではなく、「集団から外れた個体」には当然付きまとう要素だからだ。

 

人間の三大欲求は食欲、睡眠欲、性欲とよく言われる。最後の性欲に関しては、社会的欲求と入れ替えても差し支えないという話を聞いたことがある。承認欲求、賞賛を欲する心、SNSのイイネの様なものだ。他人から価値を見出され求められるという快感だ。

自分が愛されているかどうかなど、正直刻一刻と変化しすぎて、その瞬間瞬間は把握できるようになっても、経時的に追う事は不可能だ。自分の思い通りにならない、という事を面白いと思う思考回路に設定しないと、イライラすることは多そうだ。土台、一体何なら自分の思い通りになるのだ、という話である。

 

惰性期間に入ってきてしまったし、この本は一気に読み終えてしまいたい。次はどの本を読もうか。