宇多田ヒカル

宇多田ヒカルが好きだ。特に初期の曲にはつらいところを助けてもらったし、今でも助けてもらう。in my roomとか。For youとか。暗い曲と言われたりするけど、え、そうかな、って思う。これって暗いの?

 

宇多田ヒカルの母親は藤圭子だ。藤圭子躁うつ病だったそうで、躁状態のときは娘をとても愛して可愛がり、うつ状態の時はかなり心に刺さる言葉を浴びせたそうだ。子ども時代に親から愛情を受け取れたか、そしてどういった形で親からの愛情を受けたか、というのは必ず影響する。

思えばうちはこれに近しいと思う。条件を満たせば母親は自分をほめてくれた。満たさなければとてもがっかりした。きっと、祖母は母に対して、もっとその傾向が強かったのだろうと彼女の話の端々から推測している。

 

すっきりした、ふっきれたは勘違い、というフレーズはネギま!という漫画で印象に残っている。好きな言葉だ。それはそれとして、体か心のどこかに引きずるなり含むなりしたまま人生を進んでいく。その様子はなぜこんなにも見る人の心を勇気づけ、日常の甘えを回顧して恥ずかしさから襟をたださせ、なによりも強さを感じさせるのだろうか。

 

宇多田ヒカルは人間的活動を、といってしばらく音楽活動を休止した。愛する、そしてまた自分を愛してくれる人を見つけ、子を授かり、また音楽活動を再開している。10代や20代前半に彼女が作った曲と今の曲には違いがある。