7月

もう半年が経ったのか、と思う。6月は書き損ねてしまった。

なにか取り返しのつかないところに落ちている気もした。同期のやつらと比較して、薄暗い、影の方へ、陰の方へ行っている気もした。今も必ずそうでないとは言えない。

愛されたい。愛を感じたい。必要とされたい。生活がどんなに健康でも、心が健康を保っているとは限らないのだな、とつくづく分かった。社会的な生活を、仕事をどれだけまともにやっているからと言って、プライベートな面に何を抱えているかなんて、本当に分からないものだなとよく分かった。そう思うと、華やかに順調に見える彼らにも、きっと後ろ暗いところは、多分、あるんだろうなと思う。

太ったりしないような食事。なんだかんだジムも行くし、水泳もする。サークルにもはいる。にきびも作らない。食事は自分で用意できる。人に用意するのも苦じゃない。お弁当も作れる。箸置きだってちゃんと使う。ビール用にグラスが常になにかしら冷やしてある。生活用品が欠けることもない。家で過ごすのが好き。家の時間が快適になるように、実際手間暇はかかっている。外に出る用事もあまりないから、部屋は綺麗に片付いている。

なぜストレス発散がセックスではいけないのか、ということにこたえるのは難しい。多分理屈で突き詰めるにはえぐい。ストレス発散が猫を殺すことではだめですか、みたいな感じに近いと思う。不健康なのだ。

私はきっとずっとは隣にいない。今なぜいるのかと言われると難しい。寂しいから。構ってくれるから。学ぶものがあるから。この人から習得すべきものがあるから。すべてが順調に進んで、体を絞って、感染もしなくて、仕事もできて、引っ越して部屋のキッチンで料理をするようになれたとき、遠すぎてわからないけれど、この人を必要としなくなれるだろうか。健康的なところもあるし、不健康なところもある。その時私の最大の課題は、この人を健康にすることだ。

後輩から、ちょっと痩せました?肌きれいになりましたね、と言われたりする。だれのおかげ?間違いなく彼だ。歯を磨いてくれる人なんて地球のほかにどこにいるんだ。爪をやすってくれる恋人なぞ他にどう探せば見つかるというんだ。これは愛か?無償の愛か?利害関係の駆け引きか?

私は体の健康を、彼には心の健康を。まあ、私の心もとても健康と言えない時もあるけど、それでも彼の闇が深くなる時よりは、マシだと思う。