相談を受けるという事

「他の何かの力を頼ってくださいっていう段階」

「なんか、あるといいんですけど。上司も最近頼りにならないし。」

「頻繁に連絡を取ったり定期的に会う友達とかは?」

「辛い時に。頼る人がいないっていうタイプではなくて、どっちかっていうと、そういうのは大丈夫。なんか困ってる人に呼ばれるみたいな。話を聞いてください見たいな事の方が多い。定期的に様子を見ておかないと、彼みたいな。あなたも、定期的にきちんと構わないと健やかじゃなさそうだし。おいしいものをあげるとか。」

「仕事の愚痴は同僚同士で言い合ってるよ。相談する相手がいないとかではないです。」

「年の近い事情を知ってる人もいるし。向こうのOL事情を聴いたりしながら。」

 

この発言が琴線に触れた。これについての怒りや悲しみをなんとか伝えたかった。俺が思違いをしてるならなんとかはっきりさせて終わりにしたかった。

でも彼は私が怒っていることそのものに怯えひどく動揺した。私が何に怒っているのか多分伝わっていない。そんな話が出来る状態じゃないのかもしれない。元気だとしても理解してもらえるかわからない。

怒りはこうだ。思い上がるなよと。そんな侮辱的で屈辱的な言い方、例え好きな人からでも怒るに決まってるだろうと。俺が怒っていることがよく分からないってどういう意味なんだ?体調も崩してるしお前の人格や人付き合いの仕方にも十分おかしなところ山ほどあるだろ。お前は周りから気を遣われたり変わったやつだと思われてるし、っていうか学生時代のエピソードからしても世間からそういう風に思われてることは明らかだろ。プライドが高すぎるのは自明だろ、まさか自覚ないのか?相談を聞いてくれと言われる、それと人に相談はしないというのは全く別の話だ。あなたの口ぶりからは、自分が高尚な人物であると認識している印象を受ける。相談は誰だって受ける。別にわざわざ明言することではない。大抵誰でも誰かの相談は受けるものだ。むしろ誰からも相談をされない人物の方がおかしい。

悲しみは、ああ、この人のプライドを崩せなかったなあという悲しみだ。まあ、私も彼を対等と思っていないのだろう。伸びきった鼻っ柱をへし折ってあわよくば感謝されたいと思っている。無理な話だ。そして、私は対等と思われていないのだなという悲しみ。

 

「考えすぎだよ」とよく言われる。これは言い換えると、「深読みしすぎ。思い込み。自意識過剰。気にしすぎ」ということだと思う。実際こういった言葉で言われることも多い。自尊心の話に返ってくるだろうか。

 

彼は、高学歴の人のプライドの高さのようなものを感じる。死んでも施しは受けたくない。施す側は気が向けば喜んでやる、そういうタイプ。頼りにされることをに強い喜びを覚えるタイプ。怒ったり否定されたり攻撃されることに極端に弱い。生活に支障を来すレベルでメンタルが崩れる。そうなると彼が自分について反省すべき点ももう全然伝わらないし、彼の何も変わらない。その人物と関わらなくなって時間が経って、接する人が変わって、また同じような案件で攻撃されて悲しむ。彼はそれが冷静な分析にたどり着かない。彼が逃げられないものが彼を追い詰めると、彼はふさぎ込み病気になる。

・・・こうしてみると、まさに適応障害というか・・・。コミュ障と呼ばれる人のドツボにはまるパターンと同じというか・・・。変えたかったんだけど、無理だったなあ。

 

きっと、自分は40年以上こういう風に生きてきた。今更ポッと出のあなたに言われて、自分の生き方を変える気はない。となるのだろうな。かなしいなあ。

 

相手の思う自己分析と、こちらの相手についての人物分析が合致しないと、だめなんだな。お互いにそれぞれの都合の良い様に認識している。それがずれていると、敬意に関して致命傷を浴びせる。それがずれると、好意もなくなるよね。

 

俺も相当プライドが高い。小学6年生がそのピークだと思う。それから中学生の部活で叩き潰されて、少しずつマシになってきた。常に、自分は傲慢な態度をとっていないか?とビクビクしてきた。「え?●●がプライド高いなんて思ったことないよ。むしろすごく心が広いというか、器大きくない?」という旨のコメントを貰う機会が定期的にあって、少しずつ、「僕、少しは、マシに、なったでしょうか。皆さんの輪の中に、混ぜていただいても、いいでしょうか」みたいな感じだ。隙あらば態度がでかくなるのではないかと今でもびびってはいる。あまり意識したことはないが、目上の人に良い意味で堂々と接して親しくさせて頂く、という形に昇華されている面はある。とても幸せで幸運なことだと思う。

 

私とあなたは、きっとそれが似ているんだね。私はあなたに、気付いてほしいんだと思う。これから30年ぐらいの人生、その方が楽しいし気楽だと思うから。でも、私の矯正が始まったのは12歳。あなたはもう、40を超えている。到底無理なのだろうね。

 

あまり個人名は覚えていないけど、まるで親の様に、自分のプライドを優しくへし折って下さった方々がいた気がする。そういった方々に出会えたことは幸運だった。そうだね、あなたはすごいよ、平均よりすごい、集団の中でもトップ層だと思う、でも、ここは、こうしてみた方が、もっとトップになれるんじゃないかな、みたいな。この人には、プライドが高いっていうか、ただ自尊心を拗らせてる面倒くさいゴミみたいなやつだってことは見え見えに見抜かれていて、それでなお俺のプライドを傷つけることなく助けてくださろうとしているんだな、こんな人が地球上にいるのか、申し訳なさと、感謝と。どこから名に向けたものか分からない謝罪を。私もこんな愛のある人物になろうと思ったし思っている。

 

「自分は、相談する相手がいないっていうタイプじゃなくて。そういうのは、大丈夫。むしろ話を聞いてくださいって、お願いされる方。」●さん、気が付いて。今のあなたは、全然大丈夫じゃないよ。少なくとも今の状態についていえば、それは、貴方自身が言っていることだし、短い付き合いの私でさえそう思うし、貴方に沢山いる親交の深い方たちから見てもそうだと思う。逆流性食道炎を再発して、布団から出たくない存在したくないと思うのは、もう完全にうつ病の始まりだ。なんでもググるあなたのことだ、調べたのだろう。あまりに医学的説明とあなたのいう症状が合致しすぎる。

あなたが心が広く、度量が広く、人の相談によく乗り、人から頼られる立派な人物であることは認める。それと今のあなたあの体調不良は別の話だ。

仕事をこなす能力不足なのかはわからない、でも多分あなたは優秀な人なんじゃないでしょうか。だとすれば今の問題は純粋に過労でしょう。それは今の状態のあなたが「もっと頑張る」で解決することではなくて、「あなたが壊れる前に医療機関から診断書を貰ってでも休養を取る」が正しい。上司にはすでに相談して頼りにならないわけだから。確かに優秀なあなたを欠いて現場は大騒ぎになるでしょうが、貴方はもう死ぬか死なないかの淵にいる。それどころではない。

もう、どうかいったん休んでください。あなたは一人でもう文字通り死ぬほどがんばっているじゃないですか。

部署が変わってラッキーだと言っていた。少しだけ思ったことですが、いろんな部署になじめずうつ病になりかけているあなたを、各部署の上司が「あいつうつ病になりそうだ、他の部署に早く移動させろ。たしか●に行きたがっていたぞ」という気遣いでまわしてくれたのではないですか。

 

まあ海外旅行の大きな魅力の一つですが、あなたが海外のいくつかの国をこよなく愛するのは、その国の魅力もさることながら、日本が生きづらいからというのが大きいのでしょうね。海外に行った時の今までのしがらみから解放されている解放感は爽やかですよね、私も海外旅行が好きです。